
植物工場研究会
長年出展を続けてきた理由とは?
出展に対して果たされた役割と立場をお聞かせください。
アグロ・イノベーションへの出展に関する全体の統括管理を担当しています。
出展前に感じていた課題をお聞かせください。
出展を毎年続けてきましたから、何を出したら来場者に喜んでもらえるのか、来場者のプラスになるのかというテーマを探すのに苦労しています。
長年ご出展いただいておりますが、この展示会を知ったきっかけを教えていただけますか。
私は入社2年目から出展の担当者を務めているのですが、それ以前からアグロ・イノベーション実行委員会役員に私どもの役員が就任していた関係で、働きかけをいただき毎年必ず出展しています。
いつもありがとうございます。
出展されるまでに何かハードルとなることはありましたか?
NPO自体が非常に小さな団体ですから、リソースを十分に割けず、基本的に少人数でいろいろなことを割り振って進めていかなければなりません。
また、出展するブースのデザインが決まれば、そこで何を展示するのかを決めないといけません。
パネル自体はテーマを決めてしまえば作れますが、それだけではどうしてもインパクトがありません。
そこで、アグロ・イノベーションに来たみなさんに情報提供となる何か物を渡したいと考えているのです。
それを決めて準備するのが最も大変です。
出展継続がもたらしたメリットとは?
今回、出展に至った決め手は何でしょうか?
私どもは植物工場の普及や発展、技術の向上を目指して生まれた組織です。
植物工場の普及や発展につながるチャンスがあれば積極的に取り組んでいます。
アグロ・イノベーション出展を通して、農業界に貢献したいと考えています。
ずっと出展してきて良かったことは何ですか?
私どもは研修や勉強会を開き、コンサルティングをしています。
それと、千葉大学が中心ですが、共同研究も進めています。
そういうところでつながりが生まれた人と展示会で再会し、いっしょに何かをやったり、勉強会の講師に誘われたりしてきました。
人と人の接点が増える良い機会だと思っています。
今回、セミナーが真っ先に満席になりました。
テーマはどうやって決めたのでしょうか。
その時々で来場者の方にとって役に立つ技術的な情報を発信しようとしています。
去年と今年は非常に最先端のAIを活用した基礎技術の開発を進めており、技術開発の状況を知ってもらうということが今回のテーマを決めるポイントになりました。
これからの日本の農業にとって非常に重要な立場にいらっしゃるわけですが、農業関係者の皆さんへのメッセージいただけますか?
植物工場はただ単に建屋や栽培設備、栽培機器をそろえたらできるものではないと考えています。
植物工場が短期間で立ち上がり、円滑に経営が進むためには、栽培技術や病害虫に対する知見など実際の栽培経験がベースにないとうまくいかないはずです。
どんなにいい機械やいいハウスがあっても、それだけではどうにもならないのです。
だから、人材を育成し、難関をどう克服したらいいのかを情報発信することがとても重要になります。
それを聞いて次々に新規参入する人が出てきたらうれしいですね。
実際に新規参入する人はどういう方ですか?
工場の空きスペースなど、企業が参入を検討しているケースが多くあります。
高齢化対策や閉校した学校の利用で行政が参入を考えることも少なくありません。
最近では体育館を植物工場に利用しようと考える事例がありました。
新しく農業に参入するのに、人工光型植物工場へチャレンジする方々が増えてきているように感じられます。
植物工場に新規参入するうえでの壁とは?
新規参入が増えていると実感されていますか。
興味を持つ人は増えているように感じています。
ただ、参入するにはいろいろな規則・ルールが存在します。
例えば遊休農地であっても借用するには農業委員会との調整が必要になります。
新たに農業法人を作るには、例えば農地を保有するには農業生産者による出資比率が一定以上必要となります。
先日お会いした方は新しくトマトの栽培を始めるのに、空いているハウスを探していると仰っていました。既存のハウスを借用し、例えば生産委託を受けるようにする事で立ち上げ時間が短縮できるようです。
アグロ・イノベーションに期待することは何かありますか。
過去にとらわれず成長するための強みを磨いていってほしいですね。
どうもありがとうございました。