
株式会社中西製作所
営業企画部 広報課 課長
古水 豪 氏
~農業分野の6次化に貢献したい。PJを発足し、展示会を軸に拡販~
社会課題を考えると、新たな分野への展開が必要。
製品の強みを活かせば、農業に貢献できるのではないか
さっそくですが、古水さんのお立場について教えてください。
(古水氏)
農業の6次産業化に貢献しようというプロジェクトが社内で発足しました。弊社の全国のメンバーで活動しています。お客様との接点を増やし、弊社の活動や製品の特長などの情報発信を行いたいと考えています。
プロジェクトができた背景としては、私たちの製品の強みを活かして、農業の6次産業化にも貢献できるのではないかという考えからです。
もう一つ、弊社は、学校給食分野からはじまったメーカーです。少子化という社会課題を考えると、新たな分野への展開が必要となっており、これもプロジェクトが発足した理由です。
提案したいことがある、PRする場を探していた
プロジェクトの課題は?
(古水氏)
「連続式過熱水蒸気調理機であるSVロースター」をPRする場を探していました。
この調理機は、色味・仕上がりを良くし、また、酸化抑制や栄養素を保持しやすくすることができます。この機器を使うことで、地場産物を活かした調理方法が提案できます。
提案したいことはあるのですが「どう伝えていくか」がプロジェクトの課題でした。そこで「6次産業に取り組む農家」が多く集まる展示会に出展しようと考えたことが始まりです。
食品関係の展示会など、展示会への出展経験はありますが、新たな分野として農家向けの展示会に出展したいと考えました。
貴社からアグロ・イノベーションにご興味をお持ちいただいているという問い合わせは、約1年前にいただきました。1年以上の検討期間を経て、ご出展決定いただき事務局としても嬉しく思いますし、効果を最大化いただきたいと考えています。東京のアグロ・イノベーションをお選びになったポイントは?
(古水氏)
いくつか農業系の展示会があるなかで、アグロ・イノベーションは関連展示会が北海道や九州でも開催されており、全国にいるプロジェクトメンバーからの推薦もあって、知るきっかけになりました。
昨年度は、実際に各地で開催されている展示会を視察に行きました。また、様々情報を集めたりするなかで、「6次産業という切り口では、アグロ・イノベーションが最も認知度が高い」と判断しました。
また、展示会のコンセプトが、プロジェクトの目的ともベストマッチすると考えました。
「〝過熱水蒸気調理機″で〝付加価値″を創出する考え方」を伝えやすいと思いました。
今回展示する機器を使えば、色よくビタミン要素を保持したまま、健康的な食事ができる、だからこそ〝地場産を活かした調理ができる″ことを、どうすれば皆様に伝えられるかを検討しました。
結論は、皆さんに試食いただくことが1番良いと考えました。
弊社は、大阪と東京の2本社制をとっておりまして、それぞれにテストキッチンがあります。お客様にたくさん来ていただき、東京のテストキッチンで調理したものを食べていただきたいので、東京開催のアグロ・イノベーションが一番良いと考えました。
このように考えた結果、私たちのプロジェクトは、アグロ・イノベーションに注力して、こちらを起点に拡販を計画しています。
出展決定に至るまでに、何かハードルとなることはありましたか?
(古水氏)
6次産業化という視点で見たときに、弊社は厨房メーカーとして、加工は得意分野なのですが、その後の「販売」についてどうするか課題がありました。
その点については、北海道の大学と一緒に研究し情報発信することで対策をとろうとしています。
農業関係者の皆さんに知ってもらいたい、ダイレクトな声を聞きたい
ご出展のねらいとして、マーケティングリサーチもあると伺いました。農家の方に使ってもらい、もう少しこういう機能があるといいなどフィードバックがほしいとおっしゃっていたと思います。
(古水氏)
農業分野はまだ実績がないだけに「中西製作所を知られていないのでは」という思いがあります。みなさんと交流し、会話をしたいと思っています。農家の方がどういうことをお考えなのかをよく理解したいと思っています。そういう視点からも出展を決めました。
〝農家の方と触れ合う機会がなくて″というお悩みを聞きます。身近なところでお会いできる農家さんは数が限られてしまう。
色々な品目、様々な経営規模の農家さんに一度にお会いできるような場面で、〝自分たちの製品に対するフィードバックを得たい″というお声をいただきます。
(古水氏)
どういった製品や機能が求められているのか、何がいいか、がこちらも手探りの状況なので、声をききたいですね。
新型コロナウイルス感染防止に努めながら、販路拡大をしていくために
出展を検討いただいている過程では、新型コロナウイルス感染拡大という懸念材料も出てきました。最終的には、そうした状況でもご出展のお申込みをくださいましたが、どのようにお考えになったのでしょうか。
(古水氏)
新型コロナウイルス感染拡大が出展決定への妨げになることはありませんでした。
むしろ、冒頭で申しあげた6次産業化向けのプロジェクトチームとして
「SVロースターの認知度を上げたい」「農家さんに何が合っているのか」
「どうお使いいただけるのか」などマーケティングの機会を失いたくないと考えているので、コロナ禍でSVロースターの良さを如何に伝えるか、見せ方をどうするかという点が懸念になりました。
経験上、実演して、食べていただくことが一番伝えやすいと考えているのですが、今回は、テストキッチンで調理したものをご覧いただくことを予定しています。大型機器なので実感としてお伝えできるだろうか、という不安はあります。
事務局が開催しないと判断する場合は諦めざるを得ませんが、開催される場合は、展示会場での見せ方を工夫して、拡販の施策をとっていこうと考えています。
自炊する方が増え、流通や小売りに卸している農家さんは売り上げが伸びているという数字もあるようです。設備投資に意欲的な農家さんに来場を呼び掛けたいと考えています。
展示会まで約4ヶ月。これから準備が本格化されるかと思います。ブースのプランニングは位置が決定してからかとは思いますが、どのように準備を進められていますか?
(古水氏)
SVロースターを知ってもらうには、食べてもらうのが一番と考えていますが、お客様の安全が最優先です。東京のテストキッチンで調理したものをパックして、比較していただこうと考えています。もちろん衛生には気を付けて。
これまで多数の展示会に出展されているご経験から、貴社のなかで、展示会に対する評価軸があるかと思います。そのあたりのご意見をお聞かせいただけますか。
(古水氏)
今回の出展はマーケティングリサーチの目的が強いことから、すぐに結果を求めることよりも、出展を続けていく必要があると考えています。他の展示会でもそうなのですが、大型の機器としてすぐ買います、と言うケースは稀です。マーケティング活動として出展を継続していこうと考えています。
出展予定製品を通じて、実現されたいことを教えてください。
(古水氏)
いろいろな可能性を秘めた機器として、多くの方に知っていただきたいと思っています。
過熱水蒸気で包み込み、酸素を追い出すことで、表面をさっくりさせたり、酸化抑制、栄養素を保持したりできます。それを通して、付加価値を創出することができると思います。皆さんと意見交換し、一人でも多くの農家にお喜び頂ける製品を届けたいと思っています。
本日はありがとうございました。