コラム

【デリカフーズ】国産野菜の生産・加工流通・消費の現状と課題①

デリカフーズ株式会社
東京事業所 品質管理室長
有井 雅幸 氏(薬学博士)

1.国産野菜の生産と市場概況

1-1. 野菜産出額

我が国の農業産出額9兆2,742億円(H29年度)の内、野菜は2兆4,508億円(26%)で、畜産(3兆2,億円522、35%)より小さいものの、米(1兆7,357億円、19%)を上回る規模で、果実(8,450億円、9%)を加えた青果物(3兆2,958億円)では全体の35%に達する[農水省生産農業所得統計]。

1-2. 野菜作付面積

野菜の作付面積は近年、S55年度の62.9万haをピークに、H17年度の44.9万ha、H29年度には40.6万haまで減少した。作付面積を地域別にみると、北海道、関東、九州で全体の約7割を占めており、H17年度からH28年度までの間で大きな変化はない。

1-3. 野菜生産量

生産量はS55年度1,663万トンからH17年度には1,249万トンに減少後、しばらく1,240万トン前後で推移していたものの、H22年度には春先2月~4月の低温・日照不足、及び夏の高温の影響によって1,174万トン、H29年度には1,155万トンまで減少した[野菜生産出荷統計]。

野菜の販売農家数もH17年度に51万戸、H22年度に43万戸、H27年度には37万戸まで減少している[農林業センサス]。

1-4. 野菜消費量

野菜消費量(1人1年当たり供給数量)の推移も近年、H7年度106kgをピークにH29年度には91kgまで減少した[食糧需給表]。

野菜需要のうち、家計消費比率はH2年の49%からH22年には44%、H27年度には43%まで減少したが、一方、加工・業務(外食・中食産業向け、食品メーカー向け)比率は51%から57%と増加傾向で推移し、今や全体の7割程度を占めるようになった[農林水産政策研究所]。

また、家計消費における野菜購入形態も変化しており、生鮮野菜購入金額は減少したものの、サラダ購入金額は40%増加した[消費者物価指数]。

外食・中食が拡大しているが、これらは、近年の生活スタイルの変化により、食の外部化が進展し、生鮮食品の購入が減少していることを示すものである[財団法人食の安全・安心財団]。

食の外部化の進展の背景には、世帯構成の変化(単身世帯、共働き世帯、高齢世帯の増加)や少子化・核家族化等に伴う世帯人員の減少があり、その変化に連動して「食の簡便化志向」が高まっていることを示すものである[厚労省国民生活基礎調査、内閣府男女共同参画白書、総務省全国消費実態調査]。

Profile

有井 雅幸
デリカフーズ株式会社
東京事業所 品質管理室長

出身地
兵庫県神戸市

最終学歴
東京理科大学 大学院 薬学研究科 博士課程修了(薬学博士)

職歴
公益財団法人 癌研究会癌研究所(特別研究員)
キッコーマン株式会社(機能性食品グループ長)
(その間の役職)
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会(評議員)
健康と食品懇話会(副会長)
内閣府 食品安全委員会/厚生労働省リスクコミュニケーション パネリスト
農林水産省 食料産業局 食品安全マネジメント等推進に向けた準備委員会委員
農林水産省 消費・安全局 食品トレーサビリテイ検討会委員
農林水産省 生産局 農業資材審議会専門委員
農林水産技術会議 異分野融合(情報インフラ構築)研究戦略検討会委員
日本GAP協会アドバイザー

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